臍帯血移植後、日本で食道・胃のがん発生頻度高く
欧州では皮膚・甲状腺のがん
京大大学院医学研究科の諫田淳也講師や愛知医科大の熱田由子教授らの研究グループは、臍帯血移植後に発生した固形がんの種類では日本は食道や胃が多い一方、欧州では皮膚や甲状腺が多いことを研究で明らかにした。この成果は、移植後の長期管理で地域ごとの特性に合わせた監視戦略が重要であることを示唆していると指摘している。
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研究グループは、1998年から2018年までに日欧で臍帯血移植を受けた患者(日本1万6,241例、欧州1万358例)を対象に大規模なレジストリ解析を行った。
臍帯血移植後に発生した固形がんの種類を比較したところ、日本では食道がんや胃・十二指腸がんの頻度が高く、欧州では皮膚がんや甲状腺がん、軟部組織肉腫がより多く報告された。これは、各地域の一般人口での発がん傾向を反映していると考えられるとしている。
また、臍帯血移植後に発生した血液がんではドナー細胞由来の白血病や骨髄異形成症候群の割合が日本は58%と、欧州(13%)よりも有意に高かった。日本の集団で比較的高い頻度で報告されている遺伝的素因が関与している可能性が示唆された。
移植後リンパ増殖性疾患・リンパ腫は、欧州では移植後の早期に発生し、5年生存率(23%)も日本(48%)と比べて有意に低い結果となった。欧州で多く用いられている抗胸腺細胞免疫グロブリンの使用が、発生頻度や予後に影響している可能性があると分析している。
研究グループは、研究により臍帯血移植後の二次性悪性腫瘍には顕著な地域差があることが明らかになったと指摘。この知見に基づき、日本での消化器内視鏡や欧州での皮膚検診といった地域の特性に合わせた最適な検診プログラムの構築が期待されるとしている。
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